いやもう、これはゴルフ仲間の間でずっと続いている、超定番の議論ですよね。
もしかすると、あなたは感覚派かもしれません。
右にミスショットを打った瞬間、友達がこう言い始めます。
「今のクラブの位置見た?」
- 「ここって、もう少しこうじゃない?」
- 「だから右に飛んだんじゃない?」
そして今度は、バックスイング。切り返し。腰。手。フェース。次々に指摘が始まる。
するとあなたは心の中でこう思います。
頼むから、毎回のスイングを物理の授業みたいにしないでくれ。
いいスイングをしたときの感覚は分かる。
何かがおかしいときも、なんとなく分かる。
そして次の一球を打つ前に、頭の中へ新しいスイング意識を5個も追加したくはない。
一方で、論理派ゴルファーもいます。
ミスショットを打ったら、なぜそうなったのかをちゃんと理解したい。
何かが変わったことは分かる。なぜ右に飛んだのか、その原因を考えたい。
すると友達がこう言います。
「いや、考えすぎだって。」
- 「クラブがどこにあるとか気にしすぎ。」
- 「ただこういう感じで振ればいいんだよ。」
- 「そのまま振り抜けば大丈夫。」
- 「気にしなくていいって。」
すると論理派ゴルファーはこう思います。
いや、それって結局どういう意味?
- その感覚で本当にミスの原因が直ったのか、どうやって分かるの?
- どれくらいその感覚を入れればいいの?
- やりすぎたらどうするの?
- そもそも原因が別の場所にあったら?
だから論理派ゴルファーは、こう思う。
「感覚派って、結局なんとなくでやってない?」
そして感覚派ゴルファーは、こう思う。
「論理派って、ゴルフを必要以上に難しくしてない?」
そして正直、どちらにも一理あります。だからこの議論は面白い。
ゴルフでは、感覚と論理がまるで敵同士のように扱われることがあります。
でも僕は、そうは思いません。
片方は、実際に体を動かすためのもの。
もう片方は、その動きが本当にうまくいったのかを確認するためのもの。
両方必要です。
感覚だけでゴルフをするのは、目隠ししてパターを打つようなもの
目隠しをして、さらに耳栓までしてパターを打つところを想像してみてください。
パットを打つ。入ったかもしれない。でも、まったく分からない。
- 3メートルショートしたかもしれない
- 5メートルオーバーしたかもしれない
- 結果が見えない
- 音も聞こえない
だからもう一球打つ。今度はさっきよりスムーズに感じた。次の一球は完璧に感じたかもしれない。
でも次に何を変えればいいのか分からない。
動きはある。でもフィードバックがない。
これが、感覚だけに頼る危険なところです。
論理だけでも、逆の問題が起きます
今度は、スイングの各ポジションで別々の動きを意識しながら、フルスイングをすると想像してみてください。
- テークバックでは、クラブヘッドをここに
- ハーフウェイバックでは、手をここに
- トップに近づいたら、膝はもう少し伸ばして
- 切り返しでは、焦らず待って
- ダウンスイングでは、手をここへ
- インパクトでは、伸びながら回転して
- フィニッシュでは、バランスを取る
理屈の上では、全部正しいかもしれません。そして、それをすべて完璧に実行できれば、ものすごくいいショットが打てるかもしれない。
でも、入力が多すぎます。
- 動作の指示が多すぎる
- 変数が多すぎる
もうスイングをしているというより、こうなっています。
スイング中にスイングを組み立てています。
感覚だけだと、動きはあるけどフィードバックがない。
論理だけだと、フィードバックはあるけど実行できる動きにならない。
だから僕たちは X + Y = Z を使う
キウイゴルフでは、この2つをつなげるために、シンプルな考え方を使っています。
X + Y = Z
XとYは、実際に自分がやろうとする動きです。
- 感覚
- イメージ
- 体にやらせたいこと
そしてZは、チェックポイント。つまり、測定できる結果です。
感覚は、体が実際に行える動きを作る。
チェックポイントは、その感覚によって狙った変化が本当に起きたかを確認する。
この2つを組み合わせることが大切です。
感覚派ゴルファーなら、その感覚は残してZだけ足す
たとえば、あなたの感覚がこうだったとします。
「低く左に振り抜く」
それでまったく問題ありません。実際、その感覚でいいショットが打てているかもしれない。
僕はその感覚を取り上げたいわけではありません。追加したいのは、たった1つのチェックポイントです。
たとえば、後方から撮影したスイングで、ダウンスイング中にシャフトがだいたい地面と平行になるタイミングを見ます。そのとき、手に対してクラブヘッドがどこにあるかを確認する。
仮にOKゾーンを、こうします。
「クラブヘッドが、手の位置から左右クラブヘッド1個分くらいの範囲に入っていること」
これで、その感覚に基準ができます。
いつも通り「低く左に振り抜く」という感覚で打つ。そして撮影する。
- クラブヘッドが手よりかなり外側に出ているなら、「低く左」の感覚を少し弱める
- クラブヘッドが手よりかなり後ろ側に入りすぎているなら、その感覚を少し強くする
これなら、何か少し変に見えるたびに、今まで使っていた感覚を全部捨てる必要がありません。
突然、次々に別のことを始めなくていい。
- 「もっとシャローにした方がいいのかな?」
- 「右肘をもっと内側に入れようかな?」
- 「切り返しを変えた方がいいかな?」
同じ感覚を使う。同じチェックポイントを見る。そして、その感覚の量だけを少し調整する。
これだけでも、かなり安定します。技術的にも。メンタル的にも。
少し違和感が出るたびにスイングを作り直すのではなく、1つの仕組みの中で調整できるようになります。
同じ感覚。同じチェックポイント。小さな調整。
こっちの方が、ずっと楽です。
論理派ゴルファーなら、まずRoot Flaw(ルートフラウ)を見つける
論理派ゴルファーは、情報が足りないことよりも、情報が多すぎることの方が問題になりやすいです。
自分のスイングを見て、全部見えてしまう。
- クラブがここで内側に入りすぎている
- 膝の動きがここで大きすぎる
- 腰がここで回転できていない
- 手がここで動きすぎている
- シャフトがここで立ちすぎている
そして全部見えるからこそ、全部直そうとします。そこでスイングがバラバラになります。
だから論理派ゴルファーが最初にやるべきことは、Root Flawを見つけることです。
Root Flaw(ルートフラウ)
「どこがおかしく見えるか?」ではなく、こう見る。
「どこからおかしくなり始めているのか?」
後半に起きているいろいろな問題の原因になっている、最初の大きな問題はどこなのか。そこを優先する。そこをチェックポイントにする。
そのあとで初めて、こう考えていきます。
- そのチェックポイントに一番直接関係している体の部位はどこか
- その部位は今どう動いているのか
- その反対の動きは何か
- その反対の動きを、どれくらい感じる必要があるのか(20%? 50%? 80%?)
- その感覚はいつから始めるべきか
- いつまでに100%の感覚にするのか
- そこまで行ったら、その感覚を維持するのか。それとも、そこから先は無意識に任せるのか
こうやって考えていくと、複雑な分析を1つの連続した動きに変えることができます。
たとえば、こうです。
「バックスイングで手が腰の高さに来たら、手首を時計回りに回す感覚をスタートする。切り返しが終わる頃までにその感覚を100%にして、そこから先は無意識に任せる。」
こうすれば、1つの動きです。1つの体の部位。1つのイメージ。しかもスイングのかなり広い範囲をカバーできます。
これと、こういう指示では、まったく違います。
- ここではクラブを外側に
- トップまでは膝を曲げたまま
- 腰は45度回して
- そこから手を真下に落として
- でもクラブはシャローにしすぎないで
- そこから回転して
全部正しい指示だったとしても、後者は1回のスイングの中で6個の動作指示が同時に頭の中で戦うことになります。
最初の方法なら、論理は残っています。チェックポイントも残っています。でもその論理が、こう圧縮されています。
体で実行できる1つの動き
感覚派には「基準」が必要。論理派には「流れ」が必要
そして結局、どちらにも必要なのは同じ仕組みです。
- Root Flawを見つける
- チェックポイントを1つ決める
- 動きのイメージを1つ作る
- 結果を測る
- 調整する
これが、感覚と論理をつなげる方法です。
感覚派ゴルファーは、自由な感覚を失わずに、測定できる基準を持てるようになる。
論理派ゴルファーは、必要な分析を捨てずに、1つの流れる動きにまとめられるようになる。
この2つをつなげることが大切です。
だから僕は「1つの感覚」を作った
「1つの感覚」を作った理由は、この2つのバランスを取るためです。
- 考えすぎてしまうタイプなら、スイングの中に見えているたくさんの問題を、本当に重要な1つのRoot Flaw、1つのチェックポイント、1つの動きのイメージまでシンプルにする
- 感覚で振るタイプなら、今うまくいっている感覚をできるだけ残しながら、その感覚を強くするべきなのか、弱くするべきなのか、それともそのままでいいのかを判断できる基準を作る
目的は、あなたを感覚派から論理派に変えることでも、その逆でもありません。
少しバランスを整えること。
上達をもっと分かりやすくすること。そして、ゴルフを今よりもっと楽しめるようにすることです。