この感覚、きっと分かると思います。
レッスンを受ける。
45分間、突然すべてがつながり始める。
コーチが何が悪いのかを教えてくれる。
正しいポジションに身体を動かしてくれる。
感覚をひとつ教えてくれる。
何度か素振りする。
実際にボールを打ってみる。
少しずつ球筋が良くなってくる。
するとコーチが言う。
「そう。それです。」
もう一球。
さらに良い。
もしかすると、ビフォーアフターの動画まで見せてもらう。
明らかに動きが変わっている。
レッスンが終わる頃には、
自分のスイングのことがようやく分かった気がする。
何かが完全につながった感じがする。
そして今回は本当に……
「ついに分かった。」
そう思う。
でも3日後。
一人で練習場に行く。
レッスンで使ったのと同じ感覚で振ってみる。
1球目。
まあまあ。
2球目。
右にプッシュ。
3球目。
フック。
ここから始まります。
「あれ?今度はやりすぎてる?」
「レッスンの時、インパクト付近で膝こんな感じじゃなかった気がする……」
「もしかしてリリースが同じじゃない?」
「待って。レッスンの時はもっと手首を掌屈させてた気がする。」
「あ、それだ。」
少し掌屈を増やしてみる。
次の球。
フック。
今度は、
「え……じゃあ元のスイングに戻った?」
「シャローが足りなかった?」
「いや、そもそも考えすぎなのかも。」
そこで決める。
「もう全部忘れて、何も考えずに振ろう。」
振ってみる。
ひどい球。
そして最終的には、こんな考えまで出てくる。
「もしかして自分にはスイングを変えるなんて無理なのかも。」
これは本当によく起こります。
そして僕は、
多くのゴルファーが考えていることが、本当の問題ではないと思っています。
「動きを失った」と思っている。でも多くの場合、失ったのはフィードバックです
レッスン中、コーチがやっていることは、
単にスイング思考をひとつ教えることだけではありません。
実は、
コーチ自身があなたのフィードバックシステムになっています。
あなたが振る。
コーチが言う。
「そう。」
あるいは、
「違う。」
あるいは、
「もう少し。」
あるいは、
「やりすぎ。」
もう一度振る。
またチェックしてくれる。
レッスン中は、これがずっと繰り返されています。
そして球筋が良くなった時には、
コーチも大きく反応してくれることが多い。
「ほら!」
「それです!」
「今の見ました?」
だからゴルファーの中では、自然とこの2つがつながっていきます。
球筋が良い = 動きも正しくできた
レッスン中は、それでも大きな問題になりません。
でもレッスンが終わる。
コーチはいなくなる。
そして3日後。
手元に残っているのは感覚だけ。
フィードバックシステムはありません。
では、代わりに何を使うのか?
球筋です。
ここから問題が始まります。
コーチがいなくなると、いつの間にか「球筋」が新しいコーチになる
プッシュが出る。
すると、
「リリースできてなかったんだ。」
フックが出る。
すると、
「いや、掌屈をやりすぎたのかも。」
薄い当たりが出る。
今度は、
「膝の感覚が違った。」
次に良い球が出る。
「あ!今のだ!」
その次。
ひどい球。
「……いや、違った。」
こうして一球打つたびに、新しい仮説が生まれます。
すべての感覚が怪しくなってくる。
身体のあらゆる部分が原因に見えてくる。
そして30分後には、
レッスンで練習していた動きなんて、もうほとんど練習していません。
一球ごとに、
自分のスイング全体を診断し始めています。
こうやってゴルファーは迷子になります。
その動きを目で確認できないなら、球筋を見ても「本当にできたか」は分からない
これはスイングを変えるうえで、かなり重要な違いです。
もちろん球筋は大切です。
当たり前です。
でも球筋が教えてくれるのは、
「そのショットがどうなったか」
です。
必ずしも、
「自分がやろうとしていた動きが、本当にできたか」
を教えてくれるわけではありません。
この2つは別の話です。
例えば、
ダウンスイング途中のシャフトを、もっとシャローにしたいとします。
振る。
右にプッシュした。
では、
シャローにできなかったのでしょうか?
そうかもしれません。
でも、
シャフト自体は完璧にシャローになっていて、
スイングの他の部分がまだ新しい動きに適応していないだけかもしれません。
実際の動きを確認しない限り、分かりません。
だから、
変えようとしているものが「動き」なら、確認しなければいけないのも「動き」です。
そうしなければ、
結局は推測しているだけです。
良い球が出ても、動きが正しかった証拠にはならない。悪い球が出ても、動きが間違っていた証拠にはならない
これは本格的にスイングを変え始めると、さらに重要になります。
例えば、
切り返しでシャフトがかなり縦になっているゴルファーがいるとします。
その結果、
インパクトに向かって身体が起き上がる動きを覚えている。
なぜか?
シャフトがかなり縦のままなのに、
身体までそのまま下方向に動き続ければ、
クラブが地面に突き刺さる可能性があるからです。
だから身体は、補正する動きを覚えます。
起き上がる。
そうすることで、クラブをなんとかボールに届けている。
では、
シャフトの動きを直し始めたとしましょう。
シャフトがかなり良い位置に入った。
素晴らしい。
でも身体にはまだ、
起き上がるという昔の癖が残っています。
つまり、
良くなったシャフトポジションと、
昔の補正動作が同時に存在している。
その結果、
最初はむしろ球が悪くなることがあります。
プッシュするかもしれない。
薄く当たるかもしれない。
何か変な球が出るかもしれない。
では、
シャフトの修正が間違っていたのでしょうか?
違います。
むしろ、
シャフトが本当に変わったからこそ、昔の補正動作との組み合わせが合わなくなった
可能性があります。
逆も起こります。
まだシャフトがかなり縦のままなのに、
先に身体の起き上がりだけを直したとします。
今度はクラブが地面に突き刺さるかもしれない。
また球筋は悪くなる。
でもそれは、
新しい身体の動きそのものが間違っているからとは限りません。
まだスイング全体が、新しいパターンに適応していないだけです。
キウイゴルフが「OKゾーンの中で300〜600回」と何度も言う理由
キウイゴルフでは、
スイング全体の変化を大きく判断する前に、
OKゾーンの中で300〜600回ほど、正しい動きを確認できたレップを積む
ことを、ひとつの実践的な目安にしています。
もちろん、
300回という数字に魔法があるわけではありません。
「299回までは何も起きなくて、300回目で突然脳が変わる」
なんて話ではありません。
当然、運動学習はそんな仕組みではありません。
300〜600回というのは、
僕たちがこれまで何千人ものゴルファーがスイングを変えていくのを見てきた中で使っている、
キウイゴルフとしての実践的な目安です。
ある人なら100回ほどで、
スイングの他の部分が新しい動きに適応し始めるかもしれない。
別の人なら700回かもしれない。
大事なのは、正確な数字ではありません。
大事なのは考え方です。
身体が新しい動きに何度も触れなければ、その動きに合わせてスイング全体がどう変化するのかを公平に判断することはできない。
この基本的な考え方自体は、運動学習でも確立されています。
300〜600回という範囲は、
それをキウイゴルフのコーチングで実際に使いやすい形にしたものです。
本当に300〜600回できても補正動作が残っているなら、その時は直接直す必要があるかもしれない
先ほどの、
シャフトはシャローになったけれど身体が起き上がっているゴルファーに戻りましょう。
シャフトがOKゾーンに入った良いレップを20回やった。
でもまだ身体が起き上がっている。
僕はまだ気にしません。
50回やった。
まだ起き上がっている。
それでも、すぐに問題とは考えません。
でも、
正しいシャフトの範囲で、
本当に何百回ものレップを積んだ。
それでも身体が激しく起き上がり続けている。
ここまで来ると、
かなり役立つ情報になります。
その時は、
「この補正動作については、意識的に取り組む必要があるかもしれない。」
と判断できます。
これは、
変な球が1球出た瞬間に、
新しいスイング思考を追加するのとは全く違います。
順番が大切です。
まず、
今練習している動きが本当に起きていることを確認する。
次に、
身体が適応するだけの時間を与える。
その後で、
まだ残っているものを判断する。
上達しないゴルファーは「変えられない」のではなく、変わる前に何度も途中でやめてしまうことが多い
これは僕が今まで見てきた中でも、かなり大きなパターンのひとつです。
上達するゴルファーがやっていることは、
正直かなり地味です。
動きをやる。
撮影する。
確認する。
調整する。
繰り返す。
そしてまたやる。
もう一度。
またもう一度。
一方で、
なかなか上達しないゴルファーはかなり違います。
3球打つ。
すると、
「なんで今のプッシュしたんだろう?」
何かを変える。
2球後。
「膝の感覚がおかしい。」
また新しいことを追加する。
次は、
「もっと掌屈が必要なのかも。」
それを変える。
すると、
「いや、もっと回転した方がいい気がする。」
そして最後には、
「そもそも最初に教わった動きが間違ってるんじゃない?」
次のレッスンに来る頃には、
5個、10個と全く違う質問を持ってくる。
しかも、そのほとんどが、
最初に練習するはずだった動きと関係ありません。
これはかなり分かりやすいサインです。
ビジュアルフィードバックのループから外れてしまっています。
撮影する。
確認する。
調整する。
正しいレップを積む。
これをやらなくなって、
代わりに一球ごとの球筋と感覚に反応している。
そうなった瞬間、
練習はランダムになります。
上達するゴルファーは最初に「球はどうなった?」と聞かない。「動きはできた?」と聞く
ここが重要です。
今日の練習目的が、
シャフトポジションを変えることだったとします。
その場合、スイング後に最初に聞くべきなのは、
「シャフトはOKゾーンに入った?」
です。
「フェードした?」
ではありません。
「今のプッシュした?」
でもありません。
「膝の感覚変だった?」
でもありません。
「リリースできた?」
でもありません。
まず、
その動きは起きたのか?
です。
できたなら、
良い。
そのまま正しいレップを積んでいく。
できなかったなら、
感覚を少し調整する。
そしてもう一度。
動きが少しずつ安定してきてから、
初めて新しい球筋にも、より大きな意味を持たせていきます。
そうすることで、
ゴルファーは本当に学ぼうとしているものから離れなくなります。
必要なのはスイング思考を増やすことではない。より良いフィードバックループです
だから僕たちは、
目で確認できるチェックポイントとOKゾーンを使います。
ゴルファー自身が理解しているべきなのは、
今、何の動きを練習しているのか?
良い状態はどう見えるのか?
やり足りない状態はどう見えるのか?
やりすぎた状態はどう見えるのか?
そのうえで、
感覚を使う。
振る。
動きを確認する。
調整する。
繰り返す。
これが、
ビジュアルフィードバックのループ
です。
そして重要なのは、
感覚は変わってもいいということです。
ある感覚で動きが出なくなったなら、
別の感覚を使えばいい。
あなたを基準につなぎ止めるのは、
感覚ではなくチェックポイントです。
それが、
練習がランダムになるのを防いでくれます。
最終的なゴールは、レッスンが終わってもコーチに持って帰られないものを手に入れること。それが「自立」です
良いレッスンは、
コーチが後ろに立っている間だけ良い球を打たせればいいわけではありません。
最終的には、
コーチがいない時にどう練習すればいいのか
まで分かるようにするべきです。
そのためには、
- 自分に繰り返し出る傾向
- 今変えようとしているチェックポイント
- OKゾーン
- やり足りない状態
- やりすぎた状態
- それぞれの方向へ動かすために使える感覚
こういったことを理解していく必要があります。
そうすれば、
レッスンとレッスンの間でも、
少しずつ自分で自分をコーチできるようになります。
それがゴールです。
永遠にコーチに依存することではありません。
いつまでも誰かに、
「そう。」
「違う。」
「もっと。」
「少なく。」
と言ってもらい続けることでもありません。
良いコーチングは最終的に、
こうした判断を自分でも少しずつできるようにしていくものだと僕は思っています。
自分で感覚を見つけることに自信があるなら、スイングスコアだけで十分かもしれない
ゴルファーの中には、
自分で試行錯誤するのが得意な人もいます。
自分でドリルを探せる。
自分で感覚を作れる。
本当の問題さえ分かれば、
そこから先は自分で色々試せる。
そういう人の一番大きな疑問は、
「結局、自分は何を直せばいいの?」
です。
そこにスイングスコアがあります。
スイングスコアでは、
Root Flaw(ルートフラウ)を特定し、
確認すべきチェックポイントとOKゾーンを知ることができます。
そこから自分で感覚を探し、
練習プロセスを作ることに自信があるなら、
それだけで十分かもしれません。
「どんな感覚から始めればいいのか」まで手伝ってほしいなら、それが1つの感覚です
一方で、
最初から一連の流れを全部手伝ってほしいゴルファーもいます。
単に、
「ここを直してください。」
だけではなく、
「じゃあ僕の場合、どういう感覚でやればいいの?」
まで知りたい。
そのために作ったのが、
1つの感覚
です。
まずスイングスコアでスイングを診断する。
その診断を実際のコーチがレビューする。
そして、
- 優先して変える動き
- チェックポイント
- OKゾーン
- あなた専用の感覚
- ドリルや動きのイメージ
- どう始めるべきかを説明する個別動画
まで一緒に作っていきます。
そうすれば、
最初のレップからビジュアルフィードバックのループを正しく回し始めることができます。
違いはシンプルです。
スイングスコアは「何を直すべきか」と、その基準を教えてくれる。
1つの感覚は、その基準に向かって実際に動ける感覚からスタートするところまで手伝う。
だから、レッスン中はゴルフの神になった気分なのに、3日後には完全に迷子になっていても、突然スイングのやり方を忘れたわけではありません
72時間で突然、別のゴルファーになったわけではありません。
急にすべての能力を失ったわけでもありません。
5個も新しいスイング思考が必要になったわけでもありません。
6球悪い球が出たからといって、
膝、
手首、
リリース、
掌屈、
回転、
テンポ、
全部を診断し直す必要もありません。
変わったことは、もっとシンプルです。
レッスン中には、
フィードバックシステムがあった。
レッスンが終わると、
それがなくなった。
そしてフィードバックが消えたところに、
球筋と感覚が入り込んできた。
そこから混乱が始まります。
レッスンが効かなくなったとは限りません。
フィードバックシステムがなくなっただけかもしれません。
まずはそこを取り戻す。
そして、
新しい動きが本当に自分のスイングの一部になるまで、
確認できた正しいレップを十分に積む。
その後で初めて、
新しく出ている球筋が本当に何を意味しているのかを判断すればいいんです。