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キウイゴルフ
日本人ゴルファーは、本当に違うスイングをするべきなのか?

日本人ゴルファーは、本当に違うスイングをするべきなのか?

「日本人とアメリカ人では、体が違う」——平均は違っても、最適なスイングを決めるのはパスポートではなく、その人自身の体と、今あるスピードの使い方です。

日本のゴルフ界では、こんな話をよく聞きます。

「日本人とアメリカ人では、体が違う」

正直、僕はこの意見にある程度は賛成です。

大きな集団の平均で見れば、もちろん違いはあります。

平均身長が違うこともある。

平均体重が違うこともある。

平均的な筋力が違うこともある。

そこはまったく不思議ではありません。

ただし、平均は絶対的なルールではありません。

たとえば、大谷翔平選手とジャスティン・トーマス選手を比べてみてください。

大谷選手は日本人です。

ジャスティン・トーマス選手はアメリカ人です。

でも、ジャスティン・トーマス選手の方が明らかに小柄で、細身です。

この2人の体の使い方を考えるときに、

「日本人か、アメリカ人か」

という情報が、本当に一番重要でしょうか?

もちろん違います。

もっと大事なのは、その人自身の体です。

身長。

体重。

筋力。

腕や脚の長さ。

柔軟性。

スピード。

そういうものによって、最適なゴルフスイングの見た目は当然変わります。

ここまでは、ほとんどの人が賛成すると思います。

小柄なゴルファーと大柄なゴルファーでは、最大限のスピードを出すために、少し違うポジションになることもあります。

体の比率が違えば、クラブの動かし方も変わるかもしれません。

筋力が違えば、体の使い方も変わるかもしれません。

だから、

体が違えば、最適なスイングの見た目も変わることがある。

これは、僕もまったく否定しません。

僕が「ちょっと違うんじゃないかな」と思い始めるのは、その一段先です。

「日本人は平均的に小柄で、パワーが少ない」

という話から、

「だからもっと腰を回した方がいい」

「もっと地面反力を使うべきだ」

「切り返しでフロート&ロードを入れた方がいい」

「もっとコックを作った方がいい」

「インパクトに向かって手元を減速させた方がヘッドが走る」

という話に進んでいく。

全部、

「もっとスピードを出すために」

という理由です。

そこで僕は、まず別の質問をしたくなります。

そもそも、このゴルファーは本当にスピードが足りないのか?

これは当たり前すぎる質問に聞こえるかもしれません。

でも、意外と飛ばされることが多いです。

飛距離が出ない。

するとすぐに、

「もっと速く振らないと」

となる。

もちろん、本当にそういう人もいます。

でも、そうではない人もいます。

なぜなら、飛距離はヘッドスピードだけで決まるわけではないからです。

今持っているスピードをうまく使えていないだけで、大きく飛距離を失っていることがあります。

その原因は、打ち出し条件かもしれません。

でも、単純にコンタクトかもしれません。

ここからが、かなり面白いところだと思っています。

スピードを増やす前に、今あるスピードをちゃんと使えているか?

ほぼ同じヘッドスピードの2つのスイングを想像してください。

1つはフェースの芯に当たる。

もう1つは、トウ寄り、ヒール寄り、上目、下目に当たる。

それだけでも、飛距離はかなり変わります。

15ヤード。

20ヤード。

それ以上変わることもあります。

さらに、ダフリやトップのような大きなミスヒットなら、本来出せる飛距離の大部分を失うこともあります。

そういう状況で、

「あと2〜3mphヘッドスピードを上げましょう」

と考えることに、どれくらい意味があるでしょうか?

僕が気になるのはそこです。

もっと地面を使う。

もっと速く回る。

もっと手首をロードする。

もっと手元をブレーキさせる。

こういうことを増やすたびに、ゴルファーが管理しなければならない動きも増える可能性があります。

タイミングが1つ増える。

変数が1つ増える。

でも、そもそもフェースの真ん中に安定して当てられていないなら、

スピードは最初に解決するべき問題ではないかもしれません。

もっとシンプルに、

クラブをボールに安定して届けられているのか?

そこから考えた方がいいかもしれません。

地味な答えです。

でも、たぶんその方が役に立ちます。

打ち出し条件も同じくらい大事

コンタクトがある程度良くても、それでもスピードが問題ではないことがあります。

今あるスピードの使い方が悪いだけかもしれません。

十分なヘッドスピードがあるのに、打ち出し条件がそのスピードに合っていなければ、かなり飛距離を失います。

打ち出し角が低すぎるかもしれない。

ロフトを減らしすぎているかもしれない。

今のスピードに対して、インパクトでハンドファーストが強すぎるかもしれない。

スピンと打ち出しの組み合わせが良くないかもしれない。

だから僕は、スピードは必ず「デリバリー」とセットで考えます。

ヘッドスピードが遅いゴルファーほど、基本的には高ヘッドスピードのゴルファーよりも、ある程度ダイナミックロフトを残す必要があります。

逆に、スピードが速ければ、ロフトを少なくしても十分なボールスピードがあるので、適切な弾道を作りやすくなります。

つまり、ここでも重要なのは、

日本人かアメリカ人か、

ではありません。

このゴルファーにはどれくらいのスピードがあって、そのスピードにどんなインパクト条件が合っているのか?

こっちの方がずっと役に立つ質問です。

だから僕は、スイングの「コツ」から始めたくない

これはKiwiGolfで教えるときの、かなり根本的な考え方です。

もし誰かに、

「飛距離が出ません」

と言われても、僕はすぐに、

じゃあ腰の回転を増やそう。

地面反力をもっと使おう。

もっと手首をロードしよう。

インパクトに向かって手元をもっと減速させよう。

とは考えません。

それは全部「解決策」です。

まだ問題が何なのか分かっていません。

まずスイングを見たい。

インパクト付近で何が起きているのか。

フェースのどこに当たっているのか。

クラブがどうデリバリーされているのか。

そして、そこからスイングを逆にたどっていきます。

どうやってクラブはそこまで来たのか?

テークバックの早い段階ですでに難しい位置に入っていないか?

極端にインサイドに上がって、そのあと外に出て、またインサイドに戻らないといけないスイングになっていないか?

クラブパスがずっと極端なままではないか?

あるポイントまでは安定しているのに、そこから急に動きが大きく崩れていないか?

もっと早い段階で起きた1つのことに対して、大きな補正動作を入れていないか?

僕が知りたいのは、そういうことです。

インパクトで見えているものは、多くの場合ストーリーの最後だからです。

僕は、

そのストーリーがどこから始まったのか

を見つけたい。

それをKiwiGolfでは「Root Flaw」と呼んでいます

KiwiGolfでは、スイング後半で大きな反応の連鎖を作っている、もっとも早い段階の優先度の高い問題を、

Root Flaw(ルートフラウ)

と呼んでいます。

これは、必ずしも一番見た目が悪い部分ではありません。

Instagramで誰かに「そこが悪い」と言われた部分とも限りません。

そして、20個のポジションを見て、20個全部を完璧に直すという意味でもありません。

僕たちが探しているのは、もっとシンプルです。

どこからスイング全体が必要以上に難しくなり始めているのか?

クラブが早い段階でインサイドに入りすぎる。

すると後で外に戻さないといけない。

フェースが開きすぎる。

すると後で閉じないといけない。

手元が難しい位置に入る。

するとインパクトまでに、さらに別の動きが必要になる。

1つの補正が、次の補正を生む。

その次も生む。

そして最終的には、

正しい量で、

正しい方向に、

正しいタイミングで、

いくつものことが同時に起きないとナイスショットにならない。

全部うまくハマると、ものすごく良いショットが出ます。

「なんで毎回これができないんだろう?」

と思うくらい。

でも5分後には、どれか1つが少し早い。

少し遅い。

少し多い。

少し足りない。

それだけで、全然違う球になります。

だから僕たちの目標は、

変に見える動きを全部見つけること

ではありません。

目標は、

その後に一番多くの無駄な問題を作っている原因を見つけること

です。

動きが多いほど、良いスイングとは限らない

だからこそ、「パワーを出すための動き」をどんどん足していくことにも慎重です。

もっと腰を回す。

もっと地面を使う。

もっとフロート&ロードする。

もっとコックを作る。

もっと手元を減速させる。

その人に本当に必要なら、もちろんやればいいです。

でも、入れる前に、

その動きには仕事をしてもらいたい。

何を解決しているのか?

コンタクトは良くなるのか?

打ち出しは良くなるのか?

デリバリーは良くなるのか?

実際に使えるヘッドスピードは増えるのか?

それとも、ただタイミングが必要な動きを1つ増やしているだけなのか?

ここは大事な違いです。

速いスイングの中に存在している動きが、

そのスイングが速い「原因」とは限りません。

理論上の最大スピードが少し上がっても、そのせいでコンタクトやデリバリーが不安定になれば、ゴルファーとしては悪くなることもあります。

だから僕は、単純なスピードよりも、

使えるスピード

の方が大事だと思っています。

ボールに届けられないスピードなら、意味がないからです。

そして、解決方法はできるだけシンプルにする

Root Flawを見つけるだけでは、まだ半分です。

僕は、

「P5でシャフトが立ちすぎています。じゃあこのドリルをやってください。頑張ってください。」

で終わりたくありません。

これも、ゴルフの上達でよくある問題だと思っています。

ドリルをもらう。

やってみる。

違う感じがする。

球が良くなった気もする。

悪くなった気もする。

でも、

実際に動きは変わったのか?

どれくらい変わったのか?

正しい方向に変わったのか?

やりすぎたのか?

まだ同じことを続けるべきなのか?

分からない。

それだと、練習はほぼ当てずっぽうになります。

GOODとBADが、見て分からないといけない

だから僕たちは、測れるチェックポイントを作っています。

変えたい動きを特定したら、その動きをスマホだけで自分で確認できるようにします。

「なんとなく良さそう」

ではなく。

「もっとシャローに感じて」

でもなく。

「さっきより回れている気がする」

でもなく。

明確な範囲が欲しい。

ここを測る。

ここくらいならOK。

ここはOKゾーンの中。

ここはOKゾーンの外。

これで初めて、練習がちゃんとしたフィードバックループになります。

何かを試す。

スイングを撮る。

測る。

動きは変わったか?

変わった?

いいですね。

OKゾーンに近づいたか?

行きすぎたか?

何も変わっていないか?

それを見て、次を調整する。

また試す。

こうやって初めて、

「この感覚をやると、自分のスイングではこう変わるんだ」

ということが分かってきます。

測るものと、感じるものは同じではありません

ここはすごく大事です。

Root Flawは、優先して変えるべき動きの問題です。

チェックポイントは、その動きが実際に変わったかを客観的に確認するためのものです。

そして、

One Feel(1つの感覚)

は、その変化を作るためにゴルファーが実際に使う、シンプルな感覚や意識です。

これは3つとも別物です。

僕の中では、

「このタイミングで、この角度がこうなってほしい」

と分かっているかもしれません。

でも、あなたにボールの前でその角度を考えてほしいわけではありません。

もっとシンプルなものが欲しい。

感覚。

意図。

1つの動きのイメージ。

それを試す。

そしてチェックポイントで、

本当に狙っていた動きに変わったのかを見る。

これがループです。

問題を見つける。

問題を測る。

1つのシンプルな方法を試す。

何が起きたかを測る。

調整する。

僕は、スイングのコツを永遠に集め続けるより、こっちの方がずっと役に立つと思っています。

では、日本人ゴルファーは違うスイングをするべきなのか?

もしかしたら、そうかもしれません。

でも、

日本人だからではありません。

その人のスイングを作っている、個別の条件が違うからです。

体格が関係するかもしれない。

筋力が関係するかもしれない。

柔軟性が関係するかもしれない。

スピードが関係するかもしれない。

単純にフェースの芯に当てるのが苦手なだけかもしれない。

コンタクトは良いけど、打ち出し条件が悪いのかもしれない。

本当にスピードが足りないのかもしれない。

大事なのは、

解決策を決める前に、本当の問題を見つけること。

そして問題が分かったら、できるだけシンプルな方法で改善する。

SNSで見つけた別のコツをまた1つ足すのではなく。

「パワーが出る」と言われた動きをまた1つ足すのでもなく。

Root Flawを見つける。

GOODとBADを分かるようにする。

何かを試す。

結果を測る。

調整する。

僕は、そうやってゴルファーは上達するべきだと思っています。

ゴルフスイングには物理法則があります。

でも、パスポートはありません。