最近、YouTubeでいつもより少しネガティブなコメントが増えてきました。
かなりまともなものもあります。
ちょっと面白いものもあります。
そして中には……少しドラマチックすぎるものもあります。
たとえば、
「この人は難しい」
「いつも位置だの角度だの言ってるな」
「私もスポーツを指導しますが、これはかなり個体差を無視している印象です。」
「ゴルフ上手い人間で、右肘の角度15°以内なんて意識してる人いませんよ」
「この動画で理解出来る方は 売りたい物は必要無いレベルの方でしょう。自分には理解出来ないから買う気になりません。残念」
そして最後には当然のように、
「適当なこと言ってないで この人、安売りし始めたし、そろそろ帰国しそうですね」
というものまでありました。
どうやら僕は、ゴルフをとんでもなく難しくし、個体差を無視し、ゴルファーをロボットにし、難しすぎて商品を買う気まで失わせ……
さらに日本から逃げる準備までしているらしいです。笑
まあ、そこまで言われると面白いですよね。
でも、実はここで面白いのは、
もし本当に「全員を同じロボットみたいなスイングにしたい」なら、僕もこのコメントに同意します
少し言葉を整理すると、多くのコメントの裏にある批判は、だいたい2つに分かれます。
1つ目は、
「キウイコーチは、全員を1つの正しいスイングモデルに当てはめようとしている」
2つ目は、
「キウイコーチは、ゴルファーに位置や角度や数字ばかり考えさせて、ロボットみたいにしようとしている」
もし本当に僕がそういう教え方をしているなら、僕もかなり嫌です。
全員に同じスイングをさせたいわけではありません。
そしてもちろん、ボールの前に立ったゴルファーに、
「15度……15度……15度……」
と考えながら振ってほしいわけでもありません。
なので、抽象的に反論するよりも、実際にどういう考え方でコーチングしているのかを、そのまま見せたほうが早いと思います。
普通のレッスンは、コーチが後ろに立っている間はかなりうまくいきます
たとえば、ダウンスイングでシャフトが立ちすぎるゴルファーがレッスンに来たとします。
コーチが何球か見て、
「ここでシャフトが立ちすぎています。もう少しシャローにしてみましょう」
と言う。
場合によっては、コーチが実際に体やクラブを動かしてポジションを作ってくれます。
ゆっくり何回かリハーサルする。
そのあと、コーチが後ろに立って見ている。
スイングする。
「はい、それです。」
いい球が出る。
もう一回やる。
またいい球が出る。
さらにビフォー・アフター動画まで見せてもらって、
「ちゃんと変わってる!」
となる。
満足してレッスンを終える。
正直、ここまでは何も問題ありません。
問題が出やすいのは、その2日後です。
本当の問題は、コーチがいなくなって1人で練習するときに始まります
1人で練習場に戻る。
レッスンでやったのと同じ感覚を出そうとする。
すると、だんだんこうなります。
「今の、やりすぎかな?」
「レッスンのときとちょっと感覚が違う気がする」
「いや、むしろまだ足りてない?」
「今の一球って合ってた?」
「コーチがいないのに、どうやって自分で確認すればいいんだ?」
ここで多くのゴルファーが止まります。
レッスンでは、感覚を教えてもらっていました。
でも同時に、コーチ本人がフィードバックシステムにもなっていました。
コーチが、
「はい」
「違う」
「もう少し」
「やりすぎ」
と判断してくれていたからです。
コーチがいなくなると、そのフィードバックも消えます。
だからこそ、位置・角度・見える基準レンジが役に立ちます。
角度はスイング中に考えるためのものではなく、自分で答え合わせするためにあります
同じゴルファーで考えてみましょう。
ダウンスイング途中のシャフトを変えたい。
そして、その人にとってはその位置で30〜40°くらいの範囲に入れたいとします。
YouTubeのショート動画で、
「30〜40°」
と聞くと、
「え、ダウンスイング中に角度を計算するの?」
と思う人がいます。
違います。
それは数字の役割を完全に誤解しています。
スイング中に考えるのは、もっとシンプルな感覚でいい。
たとえば、
「クラブを落とす感じ」
とか、
「クラブヘッドを少し後ろに感じる」
とか、
その人に合うものでいいんです。
30〜40°という数字は、その感覚を使って振ったあとで、本当に狙った動きができたかを確認するためにあります。
役割がまったく違います。
数字は感覚ではありません。数字は、その感覚が本当に機能したかを教えてくれるものです。
10メートルのパットで考えると、この話は一気に分かりやすくなります
10メートルのパットを想像してください。
ホールを見る。
何回か素振りする。
そのとき考えているのは、おそらく、
- ストロークの長さ
- テンポ
- スピード感
- 強さ
みたいなものです。
そして、その感覚を再現するように打つ。
ストローク中に、
「10メートル、10メートル、10メートル……」
と唱えているわけではありません。
でも、10メートルという距離は重要です。
そして打ったあとの結果も重要です。
たとえば、10メートルからなら、1メートル以内に寄ればかなり良いパットだとします。
1メートル以内に止まった。
それなら、その感覚はかなりうまくいった。
3メートルショートした。
何かが足りなかった。
4メートルオーバーした。
やりすぎた。
距離の数字が感覚を消したわけではありません。
その感覚が目的の結果を出したかどうかを確認しただけです。
ゴルフスイングでも、僕たちがやっているのはこれと同じです。
動きを正確に測れるほど、ゴルファーがやることはむしろシンプルになります
ここは一見、逆に聞こえます。
僕が位置や角度の話をしているのを見て、
「ゴルフを複雑にしている」
と思うかもしれません。
でも、測る理由は不確実さを減らすためです。
合っていたのか分からない。
やりすぎたのか分からない。
足りなかったのか分からない。
毎回コーチに後ろから見てもらわないと分からない。
これをなくしたい。
もし目標が30〜40°なら、練習はこうなります。
感覚を出す。
スイングを撮る。
シャフトを確認する。
まだ立ちすぎている?
なら、感覚が足りなかった。
寝すぎている?
なら、やりすぎた。
レンジの中に入った?
よし。
もう変えなくていい。
これは、
「今の、たぶん合ってた気がする……?」
よりずっとシンプルです。
数字は理論上は難しく見えても、実際の練習をずっと簡単にしてくれることがあります。
これが本質です。
「できているかどうか」を知っているのがコーチだけ、という状態から抜けたい
ここで、普通のレッスンがコーチ依存になりやすい理由が見えてきます。
たとえば、
「クラブの重さを感じてください」
「クラブヘッドが落ちる感じがあれば、ちゃんとシャローになっています」
と言われたとします。
その感覚自体は、とても良いかもしれません。
でも、それは証拠ではありません。
あるゴルファーは、クラブの重さをほとんど感じていない。
でも動画を確認すると、実はシャローにしすぎている。
別のゴルファーは、ものすごくクラブが落ちた感じがする。
でも実際に角度を測ると、ほとんど変わっていない。
どちらの感覚も本人にとっては本物です。
ただし、その感覚だけでは実際に何が起きたかは分かりません。
僕は感覚を否定しているわけではありません。
むしろ逆です。
感覚はものすごく大切です。
ただ、
フィードバックのない感覚は信頼できません。
「人それぞれ違う」という批判こそ、実はレンジを使う理由になっています
ここで、もう1つの批判に戻ります。
「人それぞれ違う」
その通りです。
体型も違う。
体の比率も違う。
可動域も違う。
グリップも違う。
リリースも違う。
スイングスタイルも違う。
感覚も違う。
だからこそ、全員を1つの正確な角度に合わせたいわけではありません。
それが、僕たちがレンジを使う理由です。
スイングスコアのOKゾーンは、ストロークス・ゲインドのボールストライキングで上位100人のゴルファーをサンプルとして作っています。
当然、その100人は全員同じスイングではありません。
体も違う。
動き方も違う。
組み合わせも違う。
スタイルも違う。
でも、その中を見ると、優れたボールストライカーたちが収まりやすい範囲が見えてきます。
だから僕たちが聞いているのは、
「ある1人のツアープロとまったく同じか?」
ではありません。
聞いているのは、
「優れたボールストライカーたちが実際に見せている範囲の中にいるか?」
です。
これなら、個体差を残したまま、基準も持てます。
「みんな違う」は正しい。でも、それだけでは普通のゴルファーは次に何をすればいいか分かりません
ここが、僕が「人それぞれだから」で終わる考え方に違和感を持つところです。
スイング結果が良くない。
そこで誰かに、
「でも人それぞれ自分だけのスイングがあるから」
と言われる。
分かりました。
じゃあ、次に何をすればいいんでしょうか?
自分だけのスイングって、何ですか?
どの動きは問題ない?
どの動きは直したほうがいい?
どこまで外れていても大丈夫?
普通のゴルファーには、まだ何も行動に移せません。
「人それぞれ違う」は正しい。でも、それだけでは何もアクションにつながりません。
レンジがあると、そこが変わります。
誰かと同じスイングにする必要はない。
でも、優れたボールストライカーたちがよく収まる範囲から大きく外れているなら、そこは確認する価値がある。
個体差とベンチマークは反対ではありません。
レンジがあるから、その両方を持てます。
本当の目的は感覚を数字に置き換えることではなく、感覚をキャリブレーションすることです
また、さっきのシャフトのゴルファーに戻ります。
うまくいく感覚を見つけました。
たとえば、
「クラブが少し後ろに落ちる感じ」
とします。
その感覚で数週間、シャフトが狙った範囲に入る。
34°。
36°。
完璧です。
でも1か月後。
まったく同じ感覚を使う。
すると今度は、シャフトがほぼ水平近くまで寝てしまう。
完全にやりすぎです。
何が変わったのでしょうか?
チェックポイントは変わっていません。
変わったのは、ゴルファー本人です。
そしてこれは、ゴルファーにもっとはっきり伝えるべきことだと思っています。
感覚は固定ではありません。
今日うまくいく感覚が、1か月後には間違っていることもあります
音楽で考えてみてください。
今日、ある曲を聴いてすごく気分が良くなった。
でも翌日、疲れていたり、ストレスがあったり、精神状態が違うと、同じ曲なのに少し違って聞こえることがあります。
曲は変わっていません。
変わったのは、自分です。
ゴルフの感覚も同じです。
今日、完璧な動きを出してくれる感覚が、1か月後にはやりすぎを生むかもしれません。
逆もあります。
以前は大きな変化を出せた感覚が、しばらくするとほとんど何も変えなくなることもあります。
感覚は同じように感じても、実際の動きは変わります。
だから僕は、
「自分の感覚を見つけたら、ずっとそれを続けよう」
という考え方があまり好きではありません。
僕がいつも言うのは、
チェックポイントは変わらない。でも、そこに行くための感覚は変わっていい。
狙う場所を知る。
そして、その日にそこへ行ける感覚を使う。
それでいいんです。
ここまで話してきた流れ全部が、僕たちのビジュアルフィードバックのループです
今までの流れを1つにすると、すごくシンプルです。
まず、
チェックポイントを知る
何の動きを作りたいのか。
次に、
OKゾーンを知る
どこまで入れば、その動きが許容範囲なのか。
次に、
感覚を試す
自分に合うキューでもいい。
ドリルでもいい。
誇張でもいい。
次に、
スイングする
スイング中に数字を考えない。
ただ動く。
次に、
実際に何が起きたか確認する
OKゾーンに入ったか?
やり足りなかったか?
やりすぎたか?
そして、
感覚を調整する
もう一度やる。
これを繰り返す。
これがビジュアルフィードバックのループです。
感覚 → 動き → 測定 → フィードバック → 調整
数字を見ながら体を計算して振る、という話ではありません。
複雑さはフィードバックシステム側に置く。
ゴルファーがやることはシンプルでいい。
だからこそ、僕たちはたくさん測ります。最終的にはコーチ依存を減らしたいからです
僕にとって、ここがコーチングのもっと大きな目的です。
コーチが永遠に後ろに立って、
「はい」
「違う」
「もっと」
「やりすぎ」
と言い続ける必要はありません。
最終的には、ゴルファー本人が自分のスイングを理解できるようになるべきです。
多くのゴルファーは、毎週25個の新しい問題が出ているわけではありません。
時間が経つと、同じ2〜3個の傾向が何度も戻ってきます。
それが自分の傾向です。
最終的には、ゴルファー自身が、
- 自分には戻りやすい問題が2〜3個ある
- それぞれのOKゾーンはこれ
- やり足りないときはこうなる
- やりすぎるとこうなる
- こっちにズレたときは、この感覚を使うと戻りやすい
と分かっていてほしい。
そうなれば、ラウンド前のウォームアップもシンプルです。
スイングを確認する。
今日はどちら側にズレているかを見る。
その方向を戻すための感覚を使う。
もう一度確認する。
レンジに戻った?
よし。
あとはプレーする。
これは、過去のスイング思考をランダムに回すよりずっとシンプルです。
良いコーチングは、最終的に自分で自分を修正できるようにするべきです。
だから「上手いゴルファーは15°なんて考えていない」と言われたら、僕は同意します
考えるべきではありません。
そして、
「人それぞれスイングは違う」
と言われても、
その通りです。
だからこそ僕たちは1つの正確なモデルではなく、レンジを使っています。
僕が同意できないのは、
「だから何も測る必要はない」
という結論です。
何も測らなければ、結局あのゴルファーはまた、
「今の、なんとなく合ってた気がする……?」
に戻ります。
僕たちがなくしたいのは、まさにその不確実さです。
感覚を数字に置き換えているのではありません。数字を使って、感覚を信頼できるものにしています。
つまり僕たちは、ゴルファーをロボットにしたいわけではありません。練習をランダムにしたくないだけです
全員に同じスイングをさせたいわけではありません。
スイング中に角度を計算してほしいわけでもありません。
技術的なスイング思考を増やしたいわけでもありません。
僕たちが欲しいのは、ゴルファーがこの質問に答えられることです。
「今使った感覚で、本当に狙った動きができた?」
それだけです。
感覚は使っていい。
人と違う動きでもいい。
自分だけのスイングでもいい。
でも、そこに基準がある。
フィードバックループがある。
そして最終的には、コーチが後ろにいなくても自分で修正できる。
僕には、そのほうがずっとロボットっぽくないように見えます。
感覚を自分で試せる人なら、スイングスコアで「何を直すべきか」を明確にできます
中には、動きを変える方法を自分で試すのが得意なゴルファーもいます。
いろいろ実験するのが好き。
自分の感覚もある程度分かっている。
ドリルも自分で探せる。
そういう人の本当の悩みは、
「そもそも自分は何を直すべきなんだ?」
だったりします。
そこにスイングスコアがあります。
スイングスコアは、Root Flaw(ルートフラウ)を特定して、見えるチェックポイントとOKゾーンを出すために作っています。
その情報さえあれば、あとは自分で練習方法を考えられる。
そういう人には、それだけで十分かもしれません。
チェックポイントを自分用の感覚に変えるところまで手伝ってほしいなら、1つの感覚はそのために作りました
一方で、
「何を直すべきか?」
だけではなく、
「じゃあ、自分はどう感じればそれを直せるの?」
まで知りたい人もいます。
それが1つの感覚です。
まずスイングスコアでスイングを診断し、Root Flaw(ルートフラウ)を特定する。
そのあと、本物のコーチが診断内容を確認する。
そして技術的なチェックポイントを、
- 感覚
- ドリル
- 動きのイメージ
- あなた専用の動画
- やり足りない/やりすぎを確認できる基準
に変えていきます。
違いはシンプルです。
スイングスコアは「何を直すか」と、そのベンチマークを明確にします。
1つの感覚は、そのベンチマークを「自分が実際に使える感覚」に変えるところまで手伝います。
そして最終的には、自分でビジュアルフィードバックのループを回せるようになることが目的です。
で、キウイコーチは本当におかしくなって、そろそろ帰国するの?
もしかしたら、おかしくなってるのかもしれません。
そしてどうやら、一部のYouTubeコメント欄の人たちは、僕より僕の今後の渡航予定に詳しいみたいです。笑
でも、位置や角度や測定について僕がここまで話す理由は、実はすごくシンプルです。
ゴルファーに勘で練習してほしくない。
ランダムなスイング思考を集めてほしくない。
レッスンではうまくいったのに、1人になった瞬間に何をすればいいか分からなくなってほしくない。
そして、毎回のスイングが合っているかどうかを、永遠にコーチに判断してもらわないといけない状態にもしたくない。
最終的には自分で、
自分のスイングにはどんな傾向があるのか
どこまでが許容範囲なのか
今日はどちら側にズレているのか
そこから戻すために、今日はどんな感覚を使えばいいのか
を分かっていてほしい。
目標は、あなたのスイングをもっと技術的にすることではありません。
目標は、あなたの練習をもっとランダムじゃなくすることです。
そのために僕が「位置とか角度ばかり言っている人」になるなら……
まあ、それはそれでいいかなと思っています。